NFTというと、高額で取引されるデジタルアートやドット絵などを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実際にはもっと多彩な種類のNFT商品が存在します。
この記事では、NFTの種類やその用途についてまとめています。
NFTの種類
NFTと言えばコレクティブルやアートが高額で取引されているといったイメージが強いかと思います。
NFTは他にもあらゆるジャンルやサービス、メタバースと結びついたものが数多く存在します。
コレクティブル
コレクティブルは、複数の類似した作品で構成されたコレクションです。
NFTの中で最も市場規模の大きいジャンルになります。
サッカー選手のネイマールが所持していることでも有名な猿の画像のコレクティブNFT「Bored Ape Yacht Club」などがあります。
実はこの「Bored Ape Yacht Club」は、複数ある猿の画像を作者が個別に描いているものではありません。
ジェネレーティブNFTとも呼ばれ、背景、服、目、髪、アクセサリーなどのパーツを作成し、それをプログラミングツールで自動的に組み合わせて作成します。これで数千のNFT画像を一度に生成することができます。
さらに面白いのが、パーツをランダムに組み合わせることで一定のレアキャラクターが生成されることです。
例えば、「目からビームがでているのは数体しかいないから価値が高い」とか「目が茶色なのはたくさんいるからレア度が低い」など、レアリティ差が生まれ、それが価格にも大きく影響します。
スポーツ
現実のスポーツ選手の画像(デジタルカード)やメモリアル動画などもNFTとして取引されています。
スポーツとNFTは相性が良いとされており、画像や動画の他にもNFT画像特典付きのチケットやファントークン(スポーツチームを応援するための投票権のようなもの)もNFTとして取引されます。
NFTスポーツではトレーディングカードゲームが主流で、ユーザー同士によるカード交換なども行えます。
例えばサッカーの選手カードを集めてチームを編成すると、そのチームの選手の成績がスコアとなり、手持ちカードの総合スコアを他ユーザーと競い合うこともできます。
この他にもスポーツNFTのコンテンツは多岐にわたり、その種類や市場規模は年々増加しています。
アート
単にアートと言っても、NFTとして取引されるデジタルアート作品の種類は様々です。
ピクセルアートや3Dアート、モザイクアートなどのNFT作品がある他、珍しいものではメロディーの楽譜を1音ずつ分けて作品としているようなものもあります。
ゲーム
NFTゲームは、仮想通貨のブロックチェーン技術により開発されたオンラインゲームで、その特徴は以下のとおりです。
- ゲーム内で作成したキャラクターやアイテムを売買することができるので、プロゲーマーのように特別ゲームが上手くなくてもゲームをしてお金を稼ぐことができる。
- ゲームで勝利することで暗号資産、レアアイテム、レアキャラ、カードなどを獲得することができる。
- ゲーム内でキャラ・アイテム・カード・建物などを自作して使用することができる。
- NFTは互換性があるため、購入・作成したキャラクターやアイテムは他のゲームでも使用できる。
- NFTゲームではブロックチェーン技術により「チート行為」を行うことは困難。
NFTゲームで稼ぐためには、イーサリアムなどの単価が比較的高い仮想通貨を得られるゲームをプレイすることがポイントです。
アニメ・漫画
日本の文化であるアニメや漫画もNFT化されています。
ジブリやドラゴンボールなど、誰もが知っている作品がNFT化されているので、興味のある人はNFTマーケットプレイス「楽座」へアクセスしてみてください。
楽座では、鑑定書や認定書のついたリアルな美術品は適切に管理・保存し、さらにブロックチェーンによってデジタルデータ化(NFT化)をすることで、資産価値を有する存在として強固なものにし、世界中で価値のやり取りを可能にするとしています。
会員権
会員権のNFTとは、わかりやすい例えをすれば、ファンクラブの会員証です。
コレクティブルと一体である場合が多く、例えばコレクティブルNFTの1つを所持していれば、同種のコレクティブル保有者のみのサロンに参加できるといった感じです。
また、NFT会員権を用いた会員制のBarが東京銀座にオープンしました。NFT会員権の所有者とその同伴者であれば店内にあるドリンクやおつまみが自由に飲食でき、無料以外のドリンクや食べ物は暗号資産で購入できます。
今後はNFTや暗号資産のさらなる普及でこういったサービスが当たり前の世の中になっていくかもしれません。
NFTの取引方法
NNFTの取引には主にイーサリアム(ETH)という仮想通貨が用いられることが一般的なので、まずは仮想通貨を手に入れましょう。
- 仮想通貨取引所の口座を開設し、仮想通貨を購入
- 購入した仮想通貨を「ウォレット」という仮想通貨を管理する財布に送金
- NFTマーケットプレイス(NFT販売所)に登録
- NFTマーケットプレイスで欲しいNFTを探して購入
仮想通貨取引所とNFTマーケットプレイスの両方を運営している「Coincheck NFT」などは、仮想通貨の口座から直接NFTを購入できるため、2の手順が不要な上に、仮想通貨を扱う上で懸念される「ガス代」と呼ばれる手数料も不要でおすすめです。
NFTは最低いくらで購入できる?
NFT作品自体は0.01ETHで購入できるものもあります。
ただし、ETHでの購入時にはガス代と呼ばれる手数料が発生します。
- ETHの購入(0.0015ETH)
- ETH→WETH(NFTを購入するためのコイン)への変換(0.001〜0.01ETH)
- NFTの購入・入札(0.005〜0.01ETH)
- NFT購入・入札の取り消し(0.001〜0.005ETH)
ガス代の適正価格は、イーサリアム・ブロックチェーンの利用率やNFTの取引量によって変動します。
この適正価格把握やガス代がかからないマーケットプレイスを利用するなど、無駄なガス代を発生させないよう、しっかりと知識を身につけていきましょう。
NFTを購入するメリット
NFTは将来的に価値が上がる可能性もあるため、投資目的でNFTを購入する人もいます。
例えば、Beepleというアーティストが作成したアート作品「CROSS ROAD」は、当初約600万円で落札された後、そのわずか4ヶ月後に7億円で落札されました。
このアート作品は、トランプ前大統領を風刺した動画作品であったため、大統領選挙の結果を受けて落札額が跳ね上がったものです。
「CROSS ROAD」は短期間で大幅な価格上昇をした特殊な例ですが、このようにNFT作品の価値が上がることを期待して一攫千金を狙えることがメリットであり、魅力のひとつと言えるでしょう。
NFTの将来性と課題・問題点
NFTの市場は急速に拡大しており、ビジネスや投資の対象としても魅力的であると言えます。
しかし、NFTの歴史はまだまだ浅く、なおかつ革新的なものであることから、課題や問題点も残ります。
日本の大企業もNFTに参入している
日本では、2020年頃からNFTへの注目が高まりました。
仮想通貨取引所やIT企業をはじめ、ゲームや印刷業界などがNFTビジネスに参入するようになりました。
NFT事業に参入している日本の大企業を一部紹介すると、Coincheck、メルカリ、楽天、スクウェア・エニックスなどがあります。
この他、誰しもが名前を聞いたことがあるような有名企業が多数NFT事業に参入していることから、日本でもこれからさらに盛り上がりを見せてくれるでしょう。
NFTに対する法整備が未熟
NFTの法的な取り扱いや著作権、売却利益に対する課税などの法整備は、日本のみならず世界中で万全ではない状況です。
詐欺やハッキングなどのトラブルにあった際に法的な解決が困難であったり、利益を得た際の課税の仕組みについてしっかりと理解する必要があるといった点は、NFTを取り扱う上での懸念事項となります。
NFTマーケットプレイス利用時は注意が必要
アマゾンなどでのネット通販の場合、誤って購入してしまった商品はキャンセルや返品をすることができます。
しかし、NFTの購入においてはキャンセルや返品、クーリングオフなどの手続きはできません。
NFTマーケットプレイスは、案内が英語表記であったり、価格が暗号資産表記であったりと、慣れない画面での操作となるため、商品の内容や価格などをしっかりと確認して購入する必要があります。
誤って高額なNFTを購入してしまうリスクがあるため、慣れないうちは特に慎重に利用しましょう。
ガス代(手数料)が高い
これまでにもご紹介したように、NFTの売買ではガス代と呼ばれる手数料が発生します。
株やFX取引の手数料は基本的に一定ですが、このガス代は取引するNFTによって差があったり、高騰する可能性もあるため、注意が必要です。
日本円やクレジットカードでの決済が可能なNFTマーケットプレイスを利用すればガス代はかからないため、特にこだわりがなければそういったところで取引をする方が無難でしょう。
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